尊敬できる看護師長に出会えた

看護師と一口に言ってもやはりいろんな人がいます。同僚、先輩、後輩、上司、気の合う人や尊敬できる人ならいいですが、気が合わなかったり、常識を疑うような人だったりすると、一緒に勤務することがつらくなったりしますよね。看護師として働く中で出会い、印象に残っている人について語ってもらいました。

自分が率先して働く師長さん


転職しながら看護師として合計8年働いてきました。現在は30代の子育て専業主婦です。経歴としては、血液内科2年、血液内科・呼吸器内科・内分泌科の混合内科2年4ヶ月、転職してから消化器・乳腺外科1年5ヶ月、以降研修にて産婦人科、小児科、整形外科・泌尿器外科の混合病棟、整形外科・血液内科の混合病棟を約半年ずつローテーションしていました。どちらの職場も、大規模な総合病院です。
研修でローテーションしたこともあるため、人より短期間で多くの病棟を経験していると思いますが、転職先の最初の病棟で出会った師長さんのことが印象に残っています。
配属前に一番若い師長さんと聞いていたので、内心頼りないのでは・出世して何か勘違いしている人ではないかなどと失礼な先入観を抱いていましたが、他の師長さん方みたいに師長室にこもらずに患者さんやご家族とよく話をし、スタッフのこともよく見ていて、何でも知っているし小柄な身体でよく動いて気さくで話しやすい、でも病棟の飲み会などでは顔を真っ赤にして二次会のカラオケで踊っちゃうような、とても素敵な方でした。
ある時、夕方遅く(準夜帯)に緊急入院がありました。ロング日勤だった私が対応することになっていたのですが、即入の知らせと同時に「私も手伝うから」との一言。「えっ師長さんが即入対応のスタッフを手伝う?!」と驚く私。師長さんによってはもう定時にさっさと帰る人もいるのに、その師長さんは本当に手伝って下さいました。むしろ、手伝うどころか書類や入力関係以外の直接的な対応はほとんどして下さっていたような…。ロング日勤の他の仕事があるとはいえ、その時の師長さんの働きぶりと優しさに感じた驚きと感動は忘れません。本当に誰からも尊敬され愛される方です。

師長と言ってもいろんな人がいると実感


その師長さんにお会いするまでは、と言うか、その前後もいろいろな師長さんを見てきて、ここまでよく動き、スタッフ・患者さん・ご家族、誰とでも距離が近い師長さんはいなかったです。
私は、師長さんが何をする人かは看護師になる前にはあまり考えたことがありませんでしたので、病棟を管理したり、部長クラスの先生方と交渉したり、意見を言える立場だとざっくり思っていたくらいです。けれど、その師長さんのおかげで、師長と一口に言っても、その仕事の能力も人柄も性格も態度も様々で、心から尊敬できる方から、人として疑問に思う方までいるもんなんだと悟りました。

きちんとお礼を伝えられなかったのが心残り


それまで、私にとって師長さんというのは距離の近い人ではなかったので、相談するのは基本的に年度評価の時などに少し仕事の悩みや心境を話す程度、あとは進退について必要に迫られて重い話をするくらいでしたが、この師長さんとは患者さんの治療方針・看護の関わり方から、もっと些細なことまで日常的に気軽に相談できる感じでした。
自分が希望していたスキルアップの道を進めるようになれたのも、この師長さんの陰の後押しがあったからかもしれず、その病棟を離れてローテーションするようになってからも院内で見かけた時に近況を軽く伝えていましたが、結局いろいろ悩んだ結果退職することになった時にきちんとご挨拶ができていなかったので、それが心残りです。